尋ねて雪か(新装版)

さっぱりしすぎかな

幼い妹、弟のために自分が働き父親の借金を返すと、20数年前に17歳で東京に出た「佐古田史朗」が主人公。

ひょんなことである組に拾われ、今ではその組を取り仕切る立場にある。

しかし、故郷と幼い妹、弟を捨てた過去が頭から離れず・・・何一つ出来ないことに気が付いていなかっただけで、半分は自分に賭けていたのだが、結果的に借金取りから逃げ出した父親と変わらなかった・・・心が晴れたことはない。

たまたま仕事で訪れた札幌で、頭から離れない過去に出会い、今度こそ何とかしてやりたいと思うのだが.....。

全体としては良くまとまっていると思うのですが、他の志水辰夫の作品ほど胸に迫ってくるものがありません。

多くを語らず、心の内を見せない男「佐古田史朗」というキャラクター設定上、過去と現在は記述されているのですが、最もどろどろしていると思われる現在に至る状況の殆どが読者の想像にゆだねられており、さっぱりし過ぎてしまったのが原因かもしれません。

尋ねて雪か (徳間文庫 (し8-6))
徳間書店 [著] 志水 辰夫
ASIN:4198926786 /文庫/343頁
発売日:2007-10
ランキング&評価:---位
価格:¥ 620 [2008-03-21 Amache]
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