死神の精度

愛嬌のある死神が主人公

短編六編が収録されています。
人間がなんとも不思議な存在であると思っている愛嬌のある「死神」が主人公です。
「死神」を「職業」にしてしまっているのが笑えてしまうのですが、題材が「死」であるにも拘らず暗さが無いのは、この「死神」のキャラクター設定によるものでしょう。
短編集なのですが、六編全体で一つの物語にもなっています。
前半の編で登場した人物が長い年月を経て後半の編に出てきます。
あっ、あの人か、とその後の人生を想像出来てしまうのも面白いですね。
別の作品の登場人物もちょこっと出てきたりします。
死を題材にした作品を読んで爽快な気分になったのは初めてです。
今まで読んだ伊坂作品の中で最も良く出来た作品だと思います。

死神の精度 (文春文庫 (い70-1))
文芸春秋 [著] 伊坂 幸太郎
ASIN:4167745011 /文庫/345頁
発売日:2008-02-08
ランキング&評価:---位 4.5
価格:¥ 550 [2008-05-02 Amache]
5 - 「吹雪に死神」は伊坂作品初の本格ミステリ
4 - 設定がステキな大人のファンタジー
5 - 死ぬってどんなこと
5 - クールで愛嬌ある主人公の「死神」が遭遇する多様な人生模様!
5 - ある寒空のくうき。