最悪

背筋が寒くなる。

奥田英朗と言えばイン・ザ・プール空中ブランコのイメージだったので、本著も同様に大いに笑わせてもらえると思い込み、川谷、みどり、和也、それぞれの最悪の状況のシリアスな描写に最初は若干戸惑いました。

ただ、窮地に陥った時の3人それぞれの言動や考え方のハチャメチャ振りは伊良部先生のキャラクターに通じるところがあり、別の意味で笑わせて貰いました。

根っからの悪人ではない3人が、ヒョンな切っ掛けで堕ちていく様子はやけにリアリティがあり背筋が寒くなるほど上手く描かれています。
奥田英朗の底深さを感じさせる作品です。

最悪 (講談社文庫)
講談社 [著] 奥田 英朗
ASIN:4062735342 /文庫/656頁
発売日:2002-09
ランキング&評価:---位 4.0
価格:¥ 920 [2008-08-16 Amache]
5 - テンポがいい
5 - 人それぞれの最悪の定義
5 - 坂道を転がり落ちる
5 - 偶然に買ったんですが
5 - 自分には厚すぎる本だと思った が!!