サウダージ

主人公は日系ブラジル人「耕一」と、ギャング修行中?の「アキ」の二人です。

「耕一−DD」、「アキ−佐々木和子」の二組の恋愛を中心に物語りは進んでいきます。

おつむの中が空っぽで本能のおもむくままに行動するコロンビア人「DD」のキャラクターが強烈ですが、その生い立ちゆえに鬱屈している耕一との組み合わせが絶妙に描かれています。

こんな女性に捕まったら大変だろうなと思いながら読んでいたのですが、何故か徐々に可愛く見えてきてしまいました。

君たちに明日はない」ほどではありませんが、従来の垣根涼介の作品である「ヒートアイランド」、「午前三時のルースター」、「ギャングスター・レッスン」とは性格がことなる作品ですが、これは垣根涼介の可能性を表しているのではないでしょうか。

今後、垣根涼介が独自の世界をどのように構築していくのか楽しみです。

蛇足ですが、物語の最後に千賀かほるの「真夜中のギター」が出てきます。
私も好きな曲なのですが、著者の年代では知らない筈なのでどうゆう経緯でこの曲を選定したのかにも興味を持ってしまいました。

サウダージ (文春文庫 か 30-3)
文藝春秋 [著] 垣根 涼介
ASIN:4167686023 /文庫/439頁
発売日:2007-08
ランキング&評価:---位 4.0
価格:¥ 650 [2007-11-10 Amache]
5 - こういうギラギラ感覚大好きです
3 - 過剰なまでの性描写は必要か