メドゥサ、鏡をごらん

欲求不満が残る。

岡嶋二人作品にすっかり魅せられてしまっているのですが、合作作家「岡嶋二人」の一人、井上夢人の作品ということで迷わず購入した一冊です。

「メドゥサを見た。」と言うダイイングメッセージを残し不可解な死に方をした作家 藤井陽造の遺作を探す為に、主人公が遺作の舞台になったと思われる町へ赴きます。

次々と明らかになってくる奇妙な出来事に、ぐいぐいと引き込まれていきます。
主人公が名前を思い出せなくなった場面では、主人公の名前は分っていると思っていた私自身もすっかり困惑し読み終えたページを読み返してしまいました。

もうこの辺りでは、どんなどんでん返しがあるのか期待は最高潮に達していたのですが....。

あれれ。

仕掛けやアイディアは、岡嶋二人作品と同様に超一流なのですが、本作品の場合は盛り上げるだけ盛り上げておいて後半が尻すぼみになる為、絶景を期待して登山をしたら、途中から見晴らしが段々良くなっていたのに、頂上に着いたと思ったら標高が下がっていた、という感じでしょうか。

飽きることなく一気に読めてしまうのですが、欲求不満の残る作品です。

メドゥサ、鏡をごらん (講談社文庫)
講談社 [著] 井上 夢人
ASIN:4062735067 /文庫/492頁
発売日:2002-08
ランキング&評価:---位 3.5
価格:¥ 800 [2008-01-27 Amache]
1 - 失敗作
1 - この作品だけと信じたい
2 - めちゃくちゃ怖いんだけど・・・
2 - ミステリの棚にあったからつい・・・
5 - 井上夢人のデビュー作