隠蔽捜査

異色警察小説

正論の人、警察庁総務課長「竜崎伸也」が主人公。

「竜崎伸也」は、強烈なエリート意識を持っているが、単に特権があるのではなく大きな責任と義務を負っていると認識している。
組織の中で正論を貫くと当然軋轢が生まれるが、敢えてそれを貫いている為、変人扱いされている。

その「竜崎伸也」が、ある連続殺人事件での警察庁の方針と同時期に家族が起こした問題で苦悩する。

官僚として、一人の父親としての生き様も素晴らしいのですが、危機に瀕している組織人として原理原則を貫き正義を全うする姿に感動します。

警察官僚を目指し青春を犠牲にして努力し、官僚に個人的な付き合いなど必要ないと考え生きてきた「竜崎伸也」に対し読み始めは、超堅物で人間味のかけらも無い冷たい人間との印象を持つと思いますが、読み終わる頃には印象はガラリと変わり爽やかな気持ちで読み終えることができます。

隠蔽捜査 (新潮文庫 こ 42-3)
新潮社 [著] 今野 敏
ASIN:4101321531 /文庫/409頁
発売日:2008-01-29
ランキング&評価:---位 4.0
価格:¥ 620 [2008-02-17 Amache]
4 - 読後感さわやか
5 - 危機管理の対応で見える組織と個人の質
5 - 合理と非合理の狭間で苦悩する人間像
3 - エリートキャリアを主人公に据えた、異色警察官僚小説