アヒルと鴨のコインロッカー

軽妙な仕上がり

大学入学のために引っ越してきたばかりの「椎名」、同じアパートの向かいの部屋に住む正体不明の「河崎」。
「河崎」の過去に関係する「琴美」、「ドルジ」、ペットショップを経営する「麗子」...。
不思議な人物のオンパレードです。

現在と2年前の出来事が交互に展開されていきますが、現状との折り合いをつけながら色々な人生を生きている上記登場人物の物語に途中参加した主人公「椎名」が、戸惑いながら着いていきます。

ペット殺し、HIVなど決して軽い内容ではありませんが、物語り全体としては軽妙に仕上げています。

まぁ、特殊なケースだなと思って読んでいたのですが、他人の物語に途中参加するのは我々の人生でも決して珍しいことではなく友人、恋人、夫婦、会社の同僚もお互いに他人の物語に途中参加していることに気が付き愕然としました。

伊坂幸太郎の作品を読んだのは2作目ですが、人生の機微や悲しみを扱いながらも軽妙に仕上げる独特の力量を感じます。

引き続き他の作品も読んでみたいと思います。

アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)
東京創元社 [著] 伊坂 幸太郎
ASIN:4488464017 /文庫/384頁
発売日:2006-12-21
ランキング&評価:---位 4.0
価格:¥ 680 [2008-03-16 Amache]
4 - 伊坂作品としは上出来
5 - ストーリーのうまさと青春小説の軽さ
4 - 展開がオモシロイ。
1 - たいくつ
2 - 初めて伊坂幸太郎を読んだけど・・・