重力ピエロ

違和感が..。

レイプから生まれた「春」。
出生に特殊な事情を持つ「春」とその家族の物語です。

相変わらずの変人のオンパレードで、重い題材を扱いながら軽妙には仕上がっています。

読み進めていく中で、きっと何か仕掛けがあるだろうと期待していたのですが...。
「春」が抱えている重荷による心の葛藤に耐え続けていたこと、それが殺人に繋がって行くことは何とか理解出来るのですが、殺人の後がどうもしっくりきません。

葛藤の原因を取り除けたにしても、殺人の後にあれほど爽やかになれるものなのだろうか?

伊坂幸太郎の作風上、「臭い」表現は馴染まないのでしょうが、人間は、ここまで感情を隠せるものなのかな?

上手く纏まった作品ではあると思いますが、違和感が残りました。

重力ピエロ (新潮文庫)
新潮社 [著] 伊坂 幸太郎
ASIN:4101250235 /文庫/485頁
発売日:2006-06
ランキング&評価:---位 4.0
価格:¥ 660 [2008-04-20 Amache]
5 - 飛ぶ。
5 - いろいろ
4 - いいと思う
5 - 軽く深く
5 - 文学的作品