岡嶋二人

チョコレートゲーム

学園もの ある中学校を舞台にした殺人事件の謎解きです。1985年の作品ですが、描かれている内容が時代を先取りしていたのか現時点で読んでも中学生の行動と言うことで考えると古さを感じさせる部分が少ないことに驚かされます。いつの時代も世代が異なると、…

コンピュータの熱い罠

結婚相談所が舞台 個人情報をコンピューターで管理する結婚相談所が舞台です。ある日、個人情報が増殖していることに気が付いた「夏村絵里子」。それを伝え聞き、ある事実に気が付いてしまった「古川」。個人情報の管理は現在も問題になることが多い話題です…

どんなに上手に隠れても

得意の誘拐ものです。 面白くて最後まで一気に読んでしまいました。売り出し中のアイドル歌手が白昼堂々とテレビ局から誘拐されます。このアイドル歌手をCMに起用し新商品の発売を計画していた企業のやり手宣伝マンが、この事件を逆に利用しようとします。犯…

開けっぱなしの密室

短編六編が収録されています。 岡嶋二人の短編集は初めて読みましたが、いつもながら題名を見ただけで興味を覚えますし、長編と較べても切れ味が劣る事はありません。短編の中でも二転三転のどんでん返しがあるのも流石ですね。この短編集の表題になっている…

タイトルマッチ

誘拐もの 「あした天気にしておくれ」では一週間の出来事が描かれていましたが、本著は三日間という大変凝縮された期間の出来事が描かれています。元世界ジュニアウエルター級チャンピオン「最上永吉」の子供「健一」が誘拐されます。 世界ジュニアウエルタ…

あした天気にしておくれ

第27回江戸川乱歩賞最終候補作 誘拐物は色々読んでいますが、人間以外が誘拐される作品は初めて読みました。序章と終章の間は、日曜から始まり土曜までの一週間の一日一日が一章になっています。 緊迫感を持って物語が進んでいくのですが、この曜日による章…

焦茶色のパステル

第28回江戸川乱歩賞受賞作 パステルから想像したのはパステルカラー・・・・・淡い色彩。 ん、焦茶色とパステルってどんな取り合わせなんだろう?馬の名前でした。 実はこの題名がしっかり意味を持っています。競馬を題材にしたミステリーですが、私のように…

殺人!ザ・東京ドーム

無邪気の恐怖 本著は東京ドームの完成に合わせて企画されたものだそうです。チョッと頭が足りず、人に馬鹿にされながら生きてきた無邪気な変質者「久松敏彦」が主人公です。 ひょんなことで、猛毒「クラーレ」を手に入れ今までの鬱憤を晴らすように無差別殺…

七日間の身代金

素人探偵が謎を解明 警察署長の娘「近石千秋」とその恋人?「槻代要之助」が主人公です。いわゆる、密室物です。 警察なら真っ先に調べるところを調べていない等??という箇所もありますが、随所に伏線が張り巡らしてあり、トリックも岡嶋二人らしく上手く…

眠れぬ夜の殺人

冒頭は、幸運な人生を歩んできた「木村英輔」が、帰宅途中で酔っ払いに絡まれて殺人事件に巻き込まれるところから始まります。最初は、この木村英輔が堕ちていく人生の中で、どのように真相を究明していくのかが描かれるのだな、と思いました。ところが、酔…

クラインの壺

バーチャルリアリティの恐怖 あるゲームの作者「上杉彰彦」が主人公です。1989年の作品だそうですが、今読んでも全く陳腐感の無い斬新なアイディアに驚きます。最初から最後まで著者のペースに見事に嵌ってしまいました。 読みながら、仮想の世界なのか現実…